ジャガイモそうか病菌の同定・識別と発病機構(土壌伝染病害菌の防除対策-ジャガイモそうか病をめぐって-,シンポジウム)
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概要
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1994年までに北海道内35市町村より採集したそうか病菌132菌株について形態的特徴と培養性質およびDNA相同性の比較を行い,以下の3種に同定した。胞子鎖Spiralでメラニン色素非産生菌群はStreptomyces scabies subsp. achromogenes,胞子鎖Spiralでメラニン色素産生菌群はS. scabiesと同定した。しかし,両菌種の差異はメラニン色素産生能のみであることから両者を系統とし,前者をS. scabies melanin(-)系統,後者をS. scabies melanin(+)系統と呼称することを提案したい。なお,胞子鎖Recti-flexuousで色素非産生菌群は新S. turgidiscabies sp. nov.として提案した。これらの菌種と酸性土壌条件下で発生するS. acidiscabiesの計3種を対象に血清学的手法(ELISA法)と遺伝子診断法(PCR法)による簡易識別が可能であった。さらに,田中民夫ら(2001)はMPN-PCRを用いて,より簡便な定量法を開発し,土壌中のそうか病菌の動態の観察を可能にした。一般に低土壌pH条件下での発病抑制が知られているが,最近は土壌pHよりもy_1値の方が発生の増減に重要とされる(水野・吉田,1994)。輪作による発病抑制,粗大有機物施用による発病促進もy_1値で説明できる(鈴木・志賀,2001)。
- 日本土壌微生物学会の論文
- 2003-10-01
著者
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