土壌微生物の接種によって土壌微生物相は変えられるか
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概要
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外来菌を接種する必要があるかの問題を筆者の関与した水田での窒素固定性らん藻の接種を例に説明した。Rogerらが接種効果についての定量的検討を始める前に,インドなどで行われたらん藻の水田での接種試験には以下5の特徴があった。1.接種と水稲の収量増を直接結びつけ,因果関係の解明が不足,2.接種効果を報告したデータの分布は左半分が欠けた正規分布を示し,効果ない場合報告されなかった傾向,3.土着のらん藻密度とその分布の調査の不十分,4.接種菌のゆくえを追跡する研究の欠如,5.厳密な対照区の欠如。接種らん藻の定着を見た実験はらん藻の生育阻害因子を除いた場合でもまれにしか外来らん藻は卓越しないことがわかり,接種の必要性に疑問が投げかけられた。
- 日本土壌微生物学会の論文
- 1995-10-01
著者
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