Clostridium thermocellumのセルロース分解酵素系(微生物の環境適応機構)
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概要
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セルロースはグルコースがβ-1,4結合した鎖状高分子で,それらが互いに水素結合し強固な結晶状の束となったものであり,酵素分解に対して極めて強い抵抗性を示す。現在までの所,単独で強い分解力を持った酵素は発見されていず,天然セルロースの分解にはエンド型,及びエキソ型セルラーゼ,β-glucosidase等の諸酵素の相乗作用が必須とされている。(C. thermocellumはそれらすべての酵素を含有した酵素複合体(セルロソーム,ポリセルロソーム)を生成する。これらの複合体並びに粘性物質によって菌体はセルロースへ吸着し,分解産物を無駄なく摂取している。さらに,酵素複合体のセルロースへの吸着を促進する物質(YAS)をも生成している。以上のように,C. thermocellumはセルロースを炭素源として生育するための極めて効率的な酵素系を形成している。
- 日本土壌微生物学会の論文
- 1991-02-01
著者
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