自然環境におけるBacillus thuringiensisの生態
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概要
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昆虫病原細菌であるBacillus thuringiensisの自然環境における生活環を解明するために,土壌中,昆虫体内および土壌動物体内での消長を調べた。B. thuringiensisは自然の土壌中において増殖することがむずかしかった。その原因として発芽条件の不足,競合微生物の存在,土壌pHが増殖に適さないことが考えられる。一方,この細菌はカイコとアメリカシロヒトリの幼虫斃死体内において,競合微生物が少ない条件下で増殖して芽胞形成に至った。B. thuringiensisは,通常,土壌を中心とした自然環境において芽胞の状態で存在し,動物斃死体などの限られた場と機会を利用して増殖し芽胞を再形成するといった生活環をくり返して,種を維持していると考えられる。
- 1988-03-01
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