脳放射線壊死の成因と治療 : 高度医療(第3項先進医療)の申請
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概要
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当施設で経験した18例の脳放射線壊死病理組織を検討し,壊死巣周囲に反応性アストロサイトが集簇し,血管内皮増殖因子(VEGF)を産生し,これが脆弱な血管新生を惹起し,そこからの血漿成分の漏出が脳浮腫の原因であることを解明した.そこで,12名の症候性脳放射線壊死の症例に抗VEGF抗体であるベバシズマブの静脈内投与を単一施設の臨床研究として行ったところ,全例で脳浮腫の軽減を認めた.以上の結果に基づき,「脳放射線壊死に対する核医学的診断とベバシズマブの静脈内投与による治療」を高度医療(第3項先進医療)として厚生労働省に申請し,2011年4月1日に認可され,薬事承認を目指した多施設臨床試験として現在実施中である.
- 2012-06-20
著者
-
宮武 伸一
大阪医科大学脳神経外科
-
宮武 伸一
大阪医科大学脳神経外科学教室
-
古瀬 元雅
大阪医科大学 医学部脳神経外科
-
宮武 伸一
大阪医科大学 脳神経外科
-
古瀬 元雅
大阪医科大学医学部脳神経外科
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