言語障害を伴う脳性麻痺者の長期予後に関する研究 (1) : 言語機能と障害認識の面から
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概要
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本稿では、脳性麻痺者の長期予後について筆者(鈴木)の専門領域である言語障害に焦点をあてて明らかにした。併せて、彼ら自身の障害認識の過程や現状について明らかにした。筆者が、幼少期から現在まで継続して指導し、かつ自発話で意見を述べられる成人脳性麻痺者8名(男5名、女3名)に対し、1. 現在の言語障害の状況について把握すること 2. 自己の言語や運動機能障害をどう覚知し受容しているか、3. 療育の過程、4. 友人・家族・学校などの生活面、学習、友人関係などで体験した様々な困難とその対処方法などについて調査した。調査では、程度の差はさまざまであるが、言語障害や運動機能障害を客観的に認識したうえで受容し、日常の生活では、様々な困難はあるが工夫しつつ、真摯に向き合い努力している姿勢が見られた。今回の面接調査は、対象が限定されており、知的能力が高く、身体的な障害も比較的軽度・中度であること、また、家庭的にも恵まれている人達であり、今後は、面接調査の対象者数及び病型を拡大し検討を加える必要があると考える。
著者
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