言語障害を伴う脳性麻痺者の長期予後に関する研究 (2) : 言語機能と障害認識の面から
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概要
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第一報(鈴木他2012)で、脳性麻痺者の長期予後について筆者(鈴木)の専門領域である言語障害に焦点をあてて明らかにした。併せて、彼ら自身の障害認識の過程や現況についても明らかにした。しかし、前回の面接調査では、対象が8名と限定されており、知的能力が高く、身体的な障害も比較的軽度・中度であること、また、家庭的にも恵まれている人達に傾いているため、対象者数を増加し、検討することとした。そこで、今回新たに、筆者が、主として幼少期から現在まで継続して指導し、かつ何らかの手段で意見を述べることのできる成人脳性麻痺者10名(男4名、女6名)に対し、前回と同じく、1. 現在の言語障害の状況について把握すること 2. 自己の言語や運動機能障害をどう理解し受容しているか、3. 療育の経過、4. 家族・学校などの生活、学習、交友関係上の困難と対処方法などについて調査した。今回の調査では、第一報の結果とは大きな差異はなかったものの、年齢層が前回よりも高いためか、生活環境や社会経験の制約による会話内容の未成熟さが目立った。また、現時点では、言語障害や運動機能障害を受容しているものの、思春期前後に何らの運動機能の退行や精神症状などを体験している者が一定数いたことが明らかになった。
- 2013-03-31
著者
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