オーストラリアにおける教員の資質向上への取り組みに関する一考察 : クイーンズランド州を事例として
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概要
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国内外の学力調査で、生徒の到達度に関するデータの集積が可能となり、その学習成果が比較される状況が国際的に共通の事象となっている。そのような現状に伴い、教授法や生徒指導などを含め、教員の資質や技能が生徒の学習成果の向上に及ぼす影響に対しても、これまで以上に世論の注目が集まっている。本論文は、オーストラリアにおける教員の資質向上への取り組みの現状と課題を明らかにすることを目的としている。同国では、教員に必要な資質や技能に関するスタンダードが全国・州別に設定されている。これらのスタンダードをもとに、教育機関は教員養成課程や教員研修を実施している。教員研修に関しては、その多くが都市部で開催されること、また有料であること、そして学校業務(授業等)との調整が必要となることなど、教員の参加に対する障壁が存在する。しかし、オーストラリアではインターネット上のオンライン研修、研修費用への補助金制度、学校内研修をそれぞれ充実させることにより、研修への教員の関心を喚起し参加率を伸ばし、教員の資質向上を推進しようとしている。これらの課題や現状の多くは日本でも共通しており、本論文を通して、我が国の教育への示唆を提供していきたい。
著者
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