岩手県湯田盆地に分布する不整合と火砕岩鍵層 : その奥羽山脈発達史上の意義について(<特集>東北日本の島弧地殻構造と地質構造発達史)
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概要
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奥羽山脈中軸部の岩手県湯田盆地に分布する不整合と火砕岩鍵層を詳細な地質調査により追跡した.その結果,以下のような堆積盆発達史が復元された.(1)10Ma頃に湯田盆地東縁に部分不整合が形成された.この不整合は場所により2-3Maの堆積間隙を有する無堆積かオンラップ構造を呈する傾斜不整合であり,10Ma頃の一時的な圧縮テクトニクスの結果,東側の和賀山地が隆起して形成されたと解釈された.(2)9-6.5Maには湯田盆地周辺は,弱い引張応力場の下で激しい珪長質火山活動を伴う広域沈降を被った.(3)6.5Ma頃から東西圧縮応力場への転換に伴い,差別的隆起が始まった.(4)3Maより後に圧縮場が強化され,顕著な傾斜不整合が形成され,逆断層活動による奥羽山脈全体が持ち上がる構造形成が起こった.本研究の結果は,東北日本における将来の広域テフラ層や広域不整合の対比を行うための基礎資料を提供する.
- 2012-05-25
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