バリアフリー環境に関する教育手法と教材開発に関する研究

概要

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建築設計を学ぶ専修学校の学生(1年生)を対象に住宅設計の講義・演習の一部に理学療法士・作業療法士の参画するオムニバス教育プログラムを試みた。具体的には虚弱な高齢者を含む家族が戸建て住宅を取得することを想定した住宅設計課題を取り組むにあたり、バリアフリーに関する講義(3時間)および障害体験実習(3時間)を理学療法士・作業療法士が担当した。本研究はこの試行プログラムにあたって、学生のバリアフリー教育のニーズとオムニバスによる教育手法について評価することを目的とした。方法は学生へのアンケート調査等を行った。結果を以下に示す。1)家族や友人など身近に障害者がいる学生は医療系専攻(理学療法・作業療法)の45.1%に対して建築設計専攻の25.0%であり、概して建築設計専攻の学生は医療系専攻の学生に比べ障害の原体験が少ない傾向にあった。2)障害者・高齢者にも使いやすい建築設計に興味がある学生の割合は医療系専攻、建築設計専攻それぞれ95.1%、91.7%であり、両専攻ともに学生のバリアフリー教育に対するニーズが極めて高かった。3)バリアフリーに関する講義・障害体験実習は「住宅設計に参考になる」、「次年度も継続してほしい」といった学生からの好意的な評価が多かった。4)実際にできあがった設計作品は、設計全般のスキルが未熟で設計作品に反映するまで至らなかったものも多かったが、バリアフリーの考え方を十分に活かしたものも散見された。理学療法・作業療法の専門性は今後隣接領域である建築設計の教育にも寄与できうる可能性が示唆された。
一般社団法人日本福祉のまちづくり学会の論文
2003-06-15

バリアフリー環境に関する教育手法と教材開発に関する研究

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