神社・寺院に関連する固有名詞と英語の定冠詞
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
英語の冠詞の用法については,Christophersen(1939), Jespersen(1949)等の記述的かつ古典的研究から,最近の生成文法・認知言語学等の言語理論に基づく理論言語学的な分析,包括的かつ体系的な文法書による分析,さらには最近のBerry(1993),樋口(2003)等の冠詞の研究,規範文法の立場からの研究,言語習得の側面からの研究等が存在する。従来の研究でおおよその意味や機能,使用状況・言語運用等は明確になってきたといえるが,細部では依然として十分に解明されていない問題が存在する。さらにコーパスを使った分析を行うと,これまでの研究とは矛盾する使用実態・言語運用が明らかになることがある。本論文では,神社・寺院についてコーパスを用いて検討したところ,有名な「靖国神社」などでも定冠詞をつけるのが一般的であり,定冠詞の脱落傾向が進んでいるとは必ずしもいえないことが明らかとなった。他方,日本の寺院については定冠詞・ゼロ冠詞のゆれが見られる。イギリス・アメリカ以外の寺院に関して定冠詞が用いられる傾向があるといわれるが必ずしも一般化はできず,無冠詞で用いられる寺院も見られるということを指摘した。
- 2012-07-24
著者
関連論文
- 古英語訳福音書における拡充形に関する研究(英語学)
- 英語学 The progressive of the verbs in Wulfstan's prose
- Anonymous Old English Homilies and Expanded Forms
- 古英語訳Orosiusにおける拡充形(英語学)
- Alexander Bain and Paragraph-Writing Education in Japanese Universities
- 地理に関連する固有名詞と英語の冠詞の用法
- 神社・寺院に関連する固有名詞と英語の定冠詞
- リンディスファーン福音書とラッシュワース福音書の行間注解と拡充形