国際会計基準第16号「有形固定資産」第41項の規定に関する一考察
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本論は,国際会計基準第16 号(IAS16)「有形固定資産」第41 項の規定について考察するものである。同41項の規定は,利益剰余金に振り替えられる金額は,資産の再評価後の帳簿価額に基づく減価償却と当初の取得原価に基づく減価償却との差額であるとのみ規定している。同項の規定は,再評価が1 度だけの場合には特段の問題を生じないものの,2 度以上再評価が実施された場合には,同項の規定は利益測定の基礎の改訂を反映しない結果を招く。同項は2 度以上の再評価を想定しておらず,2 度以上の再評価が実施された場合に対応する規定に組み直す必要性がある。有形固定資産の再評価が当該資産に関する透明性の高い報告を行うことを重要な目的の一つとしていると考える場合,同項の規定による処理を施せばその目的を達成できない可能性がある。本論は有形固定資産に関する透明性の高い報告を行うという目的を達成するために,同項の規定を改めることを提案する。
著者
関連論文
- 自己使用不動産の再評価と会計利益測定 - 償却性資産である営業店舗用建物を例として -
- 病院における運営費補助金収入の会計上の性質と会計処理--各国補助金会計基準との比較研究を踏まえて
- 通勤輸送向け着席保証列車の可能性-企業価値向上と利用客の満足度向上の両立に向けて-
- 国際会計基準第16号「有形固定資産」第41項の規定に関する一考察
- 病院における建設助成金の会計処理
- 「北総鉄道運賃値下げ支援補助金」に関する一考察 : 公的補助と株主負担の両立による北総線運賃値下げ実現への構想
- 鉄道事業者間の戦略的提携に基づく鉄道ネットワークの持続的運営への模索 - 中小私鉄の活性化を中心として -
- 鉄道車両の会計処理に関する一考察