外国語「アワード」から考えた「綴り字発音」とその理解度
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概要
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本論を書くきっかけになったのは「アワード」というカタカナ語が、ある週刊英字新聞の中で使われていたことだった。原音を無視した綴り字発音のこの語は近年ずっと私を不愉快にさせる耳障りな言葉だったが、調べているうちにいわゆる<綴り字発音>というものは日本語に取り込まれたカタカナ外来語だけでなく英語の母語話者においても現れる現象であることが分かってきた。そしてそのような<綴り字発音>のカタカナ外来語や英語、つまりそういった発音変種はどれくらい相手に理解されうるものなのかという疑問が次に湧いてきた。この疑問についてさらに解明を進めた結果、この変種の音声理解度は英音法のコアである<強さアクセント>を効かせることで実際の英語の音に近づき、実際のコミュニケーションの場においては文脈や応答によってその理解度はさらに高まるということが判明した。また併せて、このような音声変種の捉え方は近年ますます増加しつつある非母国語話者も使用する英語「国際英語」をイメージする時にはとても有益であることも分かってきた。音声理解度についての上記の仮説は、変種の種類、話者の母語による差異などにも着目した検証(モニター調査)が必要であるが、それは今後の課題である。
- 2010-03-31
著者
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