子どもの虐待防止に関する一考察-英国の虐待防止活動を事例として-
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概要
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英国は児童虐待への制度的対応の進んだ国である。クリーブランド事件後10年間多機関協働を進めるガイドラインに基づく保護の手続きはより詳細になり、ソーシャルワーカーをはじめ、関係専門職は子どもの虐待の保護と予防に尽力してきた。また、児童福祉問題の中でも子どもの虐待には多くの財源が投入された。しかし、これまでの専門職による子どもと家族への援助のあり方に対して、社会の人々は決して良い評価を与えてはいない。メディアは児童養護施設や里親家庭での虐待の実態や子どもの死亡という悲劇ばかりを際だたせている。児童保護への制度的対応を進めれば、子どもの虐待が防止できるというほど問題は簡単ではない。1980年代を通じて児童保護実践において保護と予防活動は分断されてきたが、今、英国では虐待防止を効果的に進めるために家族援助が強調されている。子どもを虐待から守るために保護から家族援助の方向に徐々にその重点の置き所をシフトさせてきている。本稿では各地における活動事例から予防的家族援助活動の現状を明らかにし、今後の課題について考察する。
- 岡山県立大学の論文
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