農山村地域における地域資源利用形態の変遷 : 兵庫県宍粟市一宮町中坪集落の事例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
兵庫県宍粟市一宮町中坪集落を事例として,人々の生活に森林を含む地域資源が多く使われていた時代の土地及び資源の利用状況を明らかにするため,文献資料による調査及び住民への聞き取り調査を行った。その結果,かつては定期的な利用と集落レベルでの管理によって地域内資源が持続的に利用されていたことがわかった。またその利用される土地は,大きく耕作地・宅地・山林・草場に区分できた。しかし,1930年代初期に集落が利用する土地面積の約50%を占めていた広葉樹林や,同じく約40%を占めていた草場は,1995年にはそれぞれ約9%,約4%へと急速に減少していた。その減少分の多くが1960年代に行われた拡大造林により針葉樹林へと変化したことが分かった。これらの結果から,1960年代以前の中坪集落では地域住民の日常的な利用と管理による薪炭林や草場,カヤ場などが存在し,維持されていたが,その後,電気,ガスの導入や農耕牛に代わる耕作機の導入などで薪炭や草の需要が減少してその景観が大きく変化したことが分かった。
著者
-
金澤 洋一
神戸大学大学院農学研究科
-
檀浦 正子
京都大学
-
壇浦 正子
神戸大学自然科学研究科
-
檀浦 正子
京都大学大学院農学研究科
-
金澤 洋
神戸大 大学院農学研究科
-
福井 美帆
東大阪市役所
-
金澤 洋一
神戸大学大学院農学研究科:(現)森と地域研究室
関連論文
- 90年生ヒノキ高齢林における枝葉現存量および垂直分布
- アベマキ・コナラ薪炭林の10年周期による供給可能な薪エネルギー量
- 連続スキャナ画像に基づくコナラ細根の動態解析手法の開発
- 連続スキャナ画像を対象とした細根動態の自動追跡
- 自動追跡手法を用いたスキャナ画像におけるコナラ細根の動態解析
- 京都府南部の広葉樹二次林における根現存量および根表面積
- スギポット苗を用いた根呼吸量の測定
- スギ若齢林の樹冠・定直径高管理図作成の試み
- ブロックサンプリング法, トレンチ法, 地中レーダ法によるアカマツ林の根現存量および根系分布の推定
- 自動開閉式チャンバーを用いて測定された枯死木分解呼吸量の長期変動
- 高齢ヒノキ林における間伐による立木配置の変遷 : L関数を用いた定量的解析
- 京都府北部の無間伐ヒノキ高齢林における斜面位置と林分構造の関係
- リター及び土壌中の水溶性腐植物質の採取法についての検討(2. 土壌有機・無機化学, 2004年度大会講演要旨集)
- 森林の植物バイオマスをはかる(シリーズ 森をはかる その16)
- 森林の植物バイオマスをはかる
- 森林と地球環境保全, 藤森隆郎著, 丸善株式会社, 2004年8月, 150ページ, 2400円+税, ISBN4-621-07458-X
- 土壌スキャナ画像からの自動細根抽出手法
- 粗大有機物の分解呼吸速度の温度依存性について : 温度測定深度が温度依存性評価に及ぼす影響
- 京都府南部広葉樹林において短期間に測定された根呼吸量の土壌呼吸量に対する寄与の評価
- 農山村地域における地域資源利用形態の変遷 : 兵庫県宍粟市一宮町中坪集落の事例
- 落葉広葉樹二次林におけるルートリターからのメタンの発生特性について
- アカマツ角材の分解速度の空間分布とその要因
- トドマツ若齢林における断面積成長のロジスティック曲線へのあてはめ