腹腔鏡にて診断・治療し得たMeckel憩室による小腸閉塞の一例

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概要

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症例は15才女性。既往歴に特記事項なし。腹痛・嘔吐を主訴に当科受診、Meckel憩室によるイレウスを疑い緊急腹腔鏡手術施行となった。腹腔鏡下の観察で、Meckel憩室及びそこから伸びて先端が腸間膜に癒着する索状物を認め、これらがなすアーチの中に小腸が陥入して生じた内ヘルニアが本態であると判明した。腸管に明らかな血流障害はみられなかった。索状物を腸間膜から切離して内ヘルニアを解除した後にMeckel憩室を根部で腸管と接線方向に切除した。術後1日目より経口摂取再開し、4日目に退院となった。Meckel憩室に伴う腸閉塞は比較的稀な病態であり、特異的理学所見の乏しさなどから術前診断は困難な事が多い。手術既往のない症例に生じたイレウスの診療において、Meckel憩室の存在は常に念頭に置かれるべきであり、その診断・治療には腹腔鏡の持つ良好な視認性及び低侵襲性が有用である。
2012-03-25

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