心理療法における問題の見方の変化に関する検討 : PAC分析を用いた質的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的は,心理療法の効果を探索的に検討することである。心理療法を通じての問題のとらえ方の変化を,PAC分析(Personal Attitude Construction Analysis:個人別態度構造分析)を用いて明らかにすることを試みた。2名の実験協力者が,3回のセッションからなるセラピーに参加した。そのセラピーの前後に,PAC分析を実施した。セラピー終了時には,クライエントは状況を以前よりよくなったと評価し,実際の生活での問題も解決に向かっていた。さらに,セラピー前後の2つのPAC分析結果を比較したところ,心理療法の効果として,実生活の中で問題解決が行われるだけでなく,クライエントがより積極的に問題に関心を向けるようになり,問題の捉え方も変化することが明らかとなった。
- 日本ブリーフサイコセラピー学会の論文
- 2007-12-31
著者
関連論文
- 心理療法の成果についての質的研究の可能性
- ブリーフセラピーのコンサルテーションに関する考察(2) : 解決のイメージの精緻化のプロセスとその意義
- ブリーフセラピーのコンサルテーションに関する考察(1) : クライエントの問題と解決のとらえ方をめぐって
- ネガティブな感情に関心を向け,非現実的に思えるビリーフを尊重すること : 被害的思考を持つ女性との面接
- 心理療法における問題の見方の変化に関する検討--PAC分析を用いた質的研究
- ブリーフセラピーのコンサルテーションに関する考察(3) : 「主体性を尊重する態度」と「変化を導く態度」につながる体験過程
- 心理療法における問題の見方の変化に関する検討 : PAC分析を用いた質的研究