ネガティブな感情に関心を向け,非現実的に思えるビリーフを尊重すること : 被害的思考を持つ女性との面接
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概要
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夫と姑から嫌がらせをされると訴えていた,60代女性クライエントの事例を報告する。姑は,数百キロ離れた土地にすんでいたため,クライエントの訴えに周囲の人々は取りあわなかった。しかしセラピストはそのビリーフを尊重し,ネガティブな感情にも関心を向けた。クライエントと夫の希望に基づき,夫婦が平和に生活できることを目標として,解決志向ブリーフセラピーによる面接を進めた。9回のセッションを通じて,クライエントは冷静になり,ビリーフについて考え直すようになった。その結果,夫との口論もほとんどなくなった。この事例から,クライエントのネガティブな感情に関心を向けること,および非現実的に思えるビリーフを尊重することの有効性について検討した。
- 2011-10-31
著者
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