病棟看護師長の患者ラウンドのあり方に関する研究
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概要
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「患者ラウンド」は, 看護師長が患者のベッドサイドを訪問することであり, 長年慣習的に行われている業務である. 看護師長が意図的にベッドサイドを訪問し管理的視点で状態の把握や看護実践の確認をすることは, 患者満足度や看護師の職務満足度の向上, リスクマネジメントに影響があると考える. そこで, 病棟看護師長が行う「患者ラウンド」の実態と看護師の受け止め方を把握し, 効果的な「患者ラウンド」のあり方を検討する目的で, 全国の181施設の看護師長と看護師を対象に調査を行った. 結果は, 看護師長は23%が「患者ラウンド」の指針があると答え, 90%以上が「患者ラウンド」を行っており, 半数以上が『1日1〜2回』の頻度で, 『1時間未満』で行っていた. 「患者ラウンド」の行動として設定した20項目と「患者ラウンドのルール化」の有無での比較では, 全ての項目で『ルール化して実施』が有意に行動していた. 看護師は, 「患者ラウンド」は90%以上が患者満足, リスク軽減に対して効果があり, 約70%が看護師の職務満足に影響すると感じていた. 今後, 効果的な「患者ラウンド」のあり方を検討する上で, 組織での「患者ラウンド」の指針の作成のほか, 「患者ラウンドのルール化」が重要であることが示唆された.
- 2012-03-31
著者
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