係長セキュリティから社長セキュリティへ: 日本的経営と情報セキュリティ
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概要
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内閣官房情報セキュリティ対策推進室の設置から11年,本学の設立から7年目に入り,「情報セキュリティ」という概念自体は,世間に受け入れられたようである.しかし言葉を理解することと,それを実践することとは,まったく別物である.リスクを評価する際に「統制環境」が大切だというが,わが国企業に情報セキュリティが定着するには,「日本的経営」という環境にマッチした施策を工夫する必要があろう.そこで最も大切な要素は,ボトム・アップを中心にしてきた「日本的経営」の伝統の中に,トップ・ダウンが不可欠な情報セキュリティ施策を,不適合を起こさぬように埋め込むことであろう.標語的にいえば,「係長セキュリティ」にとどまっている現状を打破して,「社長セキュリティ」への転換(止揚)が求められる.本稿では,企業ガバナンスの日米比較等を通して「日本的経営」の特徴を洗い出し,転換に必要な留意点を摘出するとともに,トップ経営者に理解を訴える.
- 2010-11-01
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