疑似焼きなまし法による成長曲線からの大気パラメータの決定
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
われわれは、疑似焼きなまし法を適用して成長曲線から大気パメータを求めるプログラムを作成した。本プログラムは、Δx ,Δ y , θex, and log102αの4つの変数をこの変数の5つの初期値の組から求めるものである。なお、Δxは観測された成長曲線と理論成長曲線との横軸の差を意味し、Δy は両成長曲線の縦軸の差を意味する。ここで目的関数は、成長曲線上にプロットされた吸収線のちらばりの分散値とした。本プログラムは、Press et al.(1992)の擬似焼きなまし法と吉岡が作成した滑降シンプレックス法を組み合わせて改良したものである。 われわれは、本プログラムと吉岡が作成した成長曲線法のプログラムと吉岡が作成した滑降シンプレックス法のプログラムの結果を比較することにより、本プログラムの有効性を調べた。比較に使われたデータは、HD187203のFe Iの吸収線86本である。そして、次の結論を得た。1) 本プログラムは、吉岡の成長曲線法のプログラムとかなり短いステップとかなり短い時間で結果が得られるので、有効な方法である。吉岡の滑降シンプレックス法とは同程度の時間で結果が得られる。2) パラタータを適当な範囲に選ぶならば、本プログラムで得られる評価関数は、吉岡の滑降シンプレックス法で得られる値よりも少し小さい値が得られる。3) 吉岡の滑降シンプレックス法のプログラムと同様、本プログラムでも最終結果は初期値に依存する。しかし、それによる値の不定性は、成長曲線法での基準から言えば、小さい。
著者
関連論文
- 滑降シンプレックス法による成長曲線からの大気パラメータの決定
- 滑降シンプレックス法による成長曲線からの大気パラメータの決定
- おうし座RV型星のHBS(偏光分光測光装置)による偏光観測とその固有偏光
- おうし座RV型星のHBS(偏光分光測光装置)による偏光観測とその一般的な特徴
- わし座AD星とこぎつね座V星の固有偏光の特徴について
- 3個のおうし座RV型星の固有偏光の特徴について
- 6個のおうし座RV型星の固有偏光の特徴について
- おうし座RV星とヘルクレス座AC星の固有偏光の特徴について
- 4個のおうし座RV型星の固有偏光の特徴について
- オルバースのパラドックスについて
- 3個のおうし座RV型星, ふたご座SU星, いっかくじゅう座U星, おうし座RV星の偏光の長周期変動
- おうし座RV型変光星の偏光の変動について III : われわれの観測の主な結果
- おうし座RV型星の偏光の変動について II : 他の8個の星に対する結果
- おうし座RV型星の偏光の変動について
- 炭素星に対するスペクトル合成法 II : 現実的なデータによる計算
- マイクロコンピュータを用いた成長曲線解析法 II : 標準化学組成星と炭素星への適用
- 基礎宇宙地球科学(面接授業担当講師と学生との往復書簡,面接授業と学習指導)
- マイクロコンピューターを用いた成長曲線解析法
- HBSでの偏光観測によるおうし座RV型星の長周期変動について
- Hopf関数の新しい近似式
- 炭素星に対するスペクトル合成法 I : ガウスの積分公式による合成スペクトルの計算
- 疑似焼きなまし法による成長曲線からの大気パラメータの決定