企業の「社会戦略」検討のための一考察 : トヨタのハイブリッド車事業の事例から([V]自由論題)
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概要
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近年,企業の社会的責任への関心が高まり,その遂行は不可避となりつつある。企業には,資源や能力の制約条件下で激しい市場競争を行いながら,より効果的に社会的責任を遂行するための「社会戦略」が必要となっている。しかし「社会戦略」の概念・実態・分析手法等は十分に明らかになっていない。そこで本報告では,トヨタのハイブリッド車事業の事例から「社会戦略」の具体的な態様を帰納的に類推することを試みた。「企業と社会」論及び戦略論からの分析視点を設け,(1)当該企業及び事業活動と,市場及び社会との影響関係,(2)当該事業と企業内部の諸活動との関係,(3)当該事業遂行のプロセス-計画的か創発的か,資源か環境か-を検討した。その結果,経済的戦略の中で社会的課題を扱ったこと,2次ステイクホルダーとの関係を構築・活用し社会性と経済性を両立させたこと,長期的投資の側面があること,計画的に企図され現場の創発を取り入れつつ形成されたこと,経営資源の強みによって競争優位を確立したことなど,「社会戦略」の一態様を示した。
- 2011-10-29
著者
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