負荷Tl-201心筋SPECTにおける一過性左室拡大の規定因子:運動負荷とジピリダモール負荷の比較

概要

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【緒言】負荷心筋SPECTにおける一過性虚血性左室拡大 (TID: transient ischemic dilation of the left ventricle)は、多枝病変や、左冠動脈主幹部狭窄などの重症冠動脈病変に関連する所見と考えられている。しかし、我々は、ジピリダモール負荷タリウム心筋SPECTにおいて、重症冠動脈疾患を有している可能性が極めて低いと思われる症例でも、TIDを臨床的に経験した。そこで、SPECTが行われた患者を対象にして、運動負荷ならびにジピリダモール負荷におけるTIDの規定因子について、心筋虚血重症度を含めた多種の因子について検討をおこなった。【対象および方法】運動負荷またはジピリダモール負荷負荷心筋シンチグラフィーと前後6ヶ月以内に冠動脈造影を施行した症例(ジピリダモール負荷163例、運動負荷164例)を後ろ向きに検討した。心筋SPECTの負荷・安静SPECT像より、負荷時欠損スコアSSS (summed stress score)、安静時欠損スコアSRS (summed rest score)、可逆欠損スコア(summed difference score: SDS=SSS-SRS)を算出した。QGSより左室拡張末期心室容積EDV(end diastolic volume)、収縮末期心室容積ESV (end systolic volume),駆出率EF(ejection fraction)を測定し、TID ratio (EDVstress/rest)を算出した。TIDと病変枝数VD (number of diseased vessels)、EDV、SSS 、SRS、SDSの関係を検討した。,【結果】ジピリダモール負荷では、TIDとEDVrestに負の、 TIDとSDS、VDに正の相関を、運動負荷では、TIDとEDVstress、SDS, SSS, VDにそれぞれ正の有意な相関を認めた。多変量解析では、ジピリダモール負荷では、EDVrest、 SDS,VD、運動負荷では、EDVstress、SDS,VDいずれもが独立して、TIDとの相関を認めた。ジピリダモール負荷においては、TIDとEDVrestは負の相関であり、心臓の大きさが小さくなるほどTIDの値が大きくなるという運動負荷とは異なる特徴を認めた。,【結論】TIDは、運動負荷、ジピリダモール負荷ともに虚血重症度と相関した。しかし,ジピリダモール負荷においては、心臓の大きさが小さくなるほどTIDの値が大きくなるという運動負荷とは異なる特徴を示した。,
2012-02-25

負荷Tl-201心筋SPECTにおける一過性左室拡大の規定因子:運動負荷とジピリダモール負荷の比較

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