「困難」事例への心理検査 : 合わせとずらしの観点から
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
心理検査には所定の手続きがあるが,「困難」とされる事例のなかにはそれにしたがえない者もいる。本研究では,心理検査場面においてそのような「困難」事例に「合わせ」と「ずらし」を用いる試みについて検討した。対象者は,検査手続きにしたがえない自閉症スペクトラム障害の児童である。事例1の10歳の男子は,教卓に隠れてドングリで遊んでいた。そこで,検査者は彼の行為をまね,それから少しずつコミュニケーションをはかっていった。事例2の12歳の男子は,検査中にもかかわらず話し続けていた。そこで,検査者は「話をする机」と「検査をする机」を設け,状況に応じて使い分けていった。これらの事例から,所定の検査手続きにのりにくい場合,合わせとずらしが有効であることが示唆された。
- 2011-10-31
著者
-
津川 秀夫
吉備国際大学心理学部臨床心理学科、たなかクリニック、吉備国際大学大学院臨床心理学研究科
-
津川 秀夫
吉備国際大学心理学部心理学科
-
寺田 和永
アキクリニック
-
谷 英俊
日笠クリニック
-
津川 秀夫
吉備国際大学
関連論文
- 不登校へのブリーフセラピー (いじめ・不登校・学校)
- 授業評価尺度作成の試み
- ブリーフセラピー・モデルによる学校コンサルテーション
- 遊び"介在"療法への招待 (私の"介在"療法(第3回)遊び介在療法)
- 痛みへのアプローチ:ブリーフセラピー (特集 痛みとそのケア)
- 軟酥の法 (イメージ療法) -- (臨床イメージ法の実際と新しい試み)
- 軽度トラウマ症候群
- エリクソニアン心理療法と催眠における見立て
- 「困難」事例への心理検査 : 合わせとずらしの観点から
- エリクソニアン心理療法と催眠における見立て
- 治療メタファーとしての遊び:エリクソン派遊戯療法
- 臨床心理学キーワード(第67回)観察/合わせとずらし/リソース
- 臨床における学びと教え
- リコメント(ブリーフセラピーが心理臨床家の養成に貢献できることは何か)
- ブリーフセラピーが心理臨床家の養成に貢献できることは何か : 大学教育の現場から(ブリーフセラピーが心理臨床家の養成に貢献できることは何か)
- ラベリングをこえて : 高機能自閉症児への支援を通して(軽度発達障害)
- 心理臨床における基礎研究のすすめ : 宮大工の知恵に学ぶ(ブリーフサイコセラピーにおける研究)
- エリクソンのメガネ(ブリーフサイコセラピーの貢献と今後の展望,シンポジウム報告2(第13回札幌大会より))
- 学校でブリーフセラピーを活用する際の留意点 (特集 学校と子どもを活かすブリーフセラピー : 解決志向の実践)
- 追悼:Steve de Shazer先生(解決志向ブリーフセラピー)
- 認知行動療法とブリーフセラピーの接点(大会企画シンポジウム1,テーマ:認知行動療法の「今」,日本行動療法学会第38回大会)
- P-53 発達障害のある子どもの親支援プログラムの検討(1)(ポスター発表II,研究発表)
- P-55 発達障害のある子どもの親支援プログラムの検討(3)(ポスター発表II,研究発表)
- P-54 発達障害のある子どもの親支援プログラムの検討(2)(ポスター発表II,研究発表,わが国の行動療法の現状と将来への展望)