居住環境整備における医療 : 福祉からのアプローチ
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概要
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本研究は,居住環境と医療・福祉の関係を居住福祉学の立場を踏まえながら,建築学・環境学や医学・福祉学等の知見を収集した資料を整理・分析し,居住環境整備が本来求めるべき新たな方向性を見出すことを目的とする。先行研究・関連研究については,引用文献・参考文献のとおりであるが,従来,居住環境の整備については,居住医療・福祉にかかわるサイドからの研究は少ない。本稿は,従来の物理的な整備による住宅環境の整備から,医療・福祉といった生活の中の生理的要素に焦点を当て,ICFの分類にしたがい,居住環境における様々な環境因子を分析しハード要因・ソフト要因を見直し,整備の統合を目指す。その結果,居住環境整備における様々な科学の環境因子の総合化,統合化の手法を,ハウスアダプテーションに見出すことができた。すなわち,すべての生活空間を福祉化するユニバーサルデザインときめ細かなパーソナルデザインを獲得しうる手法である。今後の課題は,わが国のハウスアダプテーション政策の進展とそのサービスを実行する社会システムの構築がいまだ発達途上にあることから,西欧諸国の実践に学びつつ,わが国の居住環境整備の個別具体的な実践の構造化が重要となる。
著者
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