特別養護老人ホームの看取り介護についての入居時の意向確認に関する研究
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概要
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本論文は、高齢者を主体とした看取り介護を行う為には、本人の意向を初期段階から確認したケアの展開が重要であるとの視点にたち、看取り介護を実施している特別養護老人ホームでの、入居時の看取り介護に関する意向確認の実施状況を把握し、意向確認のあり方について検討することを目的とした。特養1000施設(看取り介護実施施設)を無作為抽出し、2008年8月に郵送調査を実施し有効回答の336票を得た。入居時の意向確認は76.2%実施されていたが、意向確認の難しい理由として、判断能力がない、死について語ることのタブー、精神的ショックを与える、高齢者と家族の実感のなさ等が挙げられた。高齢者に判断能力があっても、28.6%は家族のみにしか意向確認を行わず、入居時の意向確認後は、終末期と判断された時がほとんどであった。入居から最期の看取りまでのプロセスを重視した意向確認方法の構築、看取り介護の説明者や窓口の明確化、説明内容の統一化等が求められると示唆された。
- 2010-09-23
著者
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