台湾のハンセン病に関する一考察 : 元ハンセン病患者への聞き取りから
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概要
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本論文は、台湾の楽生療養院で暮らす元ハンセン病患者14名への聞き取りを通して、強制収容や強制隔離の実態などを当事者の語りから明らかにすることを目的とした。聞き取りによって、日本が台湾を占領していた時代から、それ以後の中華民国政府によっても、継続的な強制収容・隔離政策(〜1960年代前半まで)が実施されてきたことは否定できない。また複数の対象者の証言から、戦後は全面的な外出禁止ではなかったものの、1970年頃まで行動の自由が著しく制限されていたことが示された。対象者は現在の不安としては、高齢化に伴う介護問題と楽生療養院の取り壊しをめぐる諸問題を挙げた。特に楽生療養院の取り壊しをめぐる元患者による反対運動は、自らの生きた証を守り残そうという人としての尊厳を回復する運動として捉えられよう。
- 2008-09-21
著者
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