複数の演算パラメータを持つS-boxの設計

概要

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近年,計算機の性能向上や効率的な解読手法の提案などによって共通鍵ブロック暗号方式の危殆化が起こっている.一般的には,秘密情報である鍵の長さを伸ばした方式を用いることで,さらなる安全性を確保している.一方,暗号化アルゴリズムを変化させることで安全性を確保する方式もいくつか提案されている.本研究では,複数のパラメータを持つS-boxを提案する.提案するS-boxは,拡大体上のべき乗演算とアフィン変換の組合せで構成されており,拡大体の原始多項式もパラメータとして用いている.また,パラメータを変化させることにより,ユーザは簡便にそれぞれに異なったS-boxを生成することができる.既存の暗号方式に変化するS-boxを組み込むことで,さらなる安全性の確保を図ることができると考えられる.しかし,パラメータの選択によっては差分解読法や線形解読法に脆弱なS-boxが生成される可能性がある.そのため,事前に強度評価を行いパラメータの組合せに制限をつけることで,攻撃の成功確率の上限を保証している.また,生成されるS-box全ての平均確率が現在主流とされているAESのS-boxのものより低いことを示している.次に,AESに提案S-boxを組み込み,入力および鍵を1bitだけ変化させたときの出力の変化bit数を計り,攪拌性能を評価している.最後に,原始多項式の変化による安全性を評価している.
2011-05-06

複数の演算パラメータを持つS-boxの設計

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