1970年代における社会福祉の展開 : 社会福祉経営論からの一考察
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概要
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第二臨調行革以降の日本型社会福祉から基礎構造改革に至る一連の我が国の福祉は新自由主義に貫かれた。小泉改革やその後安部政権に継承され、経済財政諮問会議主導の福祉政策が進められた。「日本型社会福祉」が登場した背景と社会福祉経営論が果たした役割を改めて整理する。社会福祉の対象が貧困・低所得層に限定する段階から拡大し、貧困問題が後退し、潜在化したことに対して社会福祉経営論との関係を検証した。社会福祉経営論では社会福祉の拡大は「社会的弱者、社会的落伍者」という国民の一部から、勤労者一般とか国民大衆へと対象が拡大したというだけでなく、資本主義の発展ないし産業化の発展につれて、社会福祉の取り扱う問題の変化と広がりが起こっているとした。国民生活の変化と、社会福祉ニードの拡大と多様化のなかで、限定された意味での社会福祉では対応できない、対象の一般化・普遍化を提唱した。社会福祉の政策に焦点を合わせて、その政策の形成および政策の管理、運営をいかに図るかを問題とし、特に非貨幣的ニードに対する対応を中心として展開した。1970年代の低成長期に、ケインズ主義的福祉国家への限界と批判の中、日本の社会福祉政策は転換していった。その背景と深く関係する社会福祉経営論の展開と政策動向について考察した。
- 龍谷大学の論文
- 2009-03-13
著者
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