住宅政策の動向 : 臨調・行革路線を契機として
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概要
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住宅問題が包括的な社会政策として取り扱われないのは、戦後、住宅問題、住宅政策が社会政策から次第に経済政策的な展開を余儀なくされたからである。人が住居を持つということは、家族や近隣、地域とのつながりの中で暮らすということである。適切な居住空間と人間どうしのつながりが可能となる住環境の保障が必要である。その背景には住宅問題が密接に関わってくる。住宅の保障や居住環境の保障が貧困状態に陥ることを予防し、市民社会で生活する基盤を整えるための重要な政策であると考える。戦後、住宅政策が特に経済政策的色彩を強めたのは臨調・行革を一つの契機としている。それ以降、住宅政策は内需拡大策の一環としてニュータウン建設や戸建て建設の推進によって「持ち家」主義をさらに推しすすめた。また、公的介入の縮小と市場化に委ねた政策によって市場の活性化を進めたことが結果として、住宅の階層性を深刻にしていった。日本のこれら、住宅政策の動向を臨調・行革を中心に論じる。
- 龍谷大学の論文
- 2009-11-30
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