異なる日射環境とポット土壌容積が水稲の生育に及ぼす影響
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概要
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制限された日射環境の屋上緑化スペースにポットイネを導入するのに必要な基礎資料を得るため,東京農業大学世田谷キャンパス構内の建物屋上と作物実験用網室において,日本晴,中生新千本およびタカナリの水稲3品種をそれぞれ 1/2000 a と 1/5000 a のワグネルポットで栽培し,それらの生育と関連気象条件を調べた栽培期間中の気温や飽差には場所による差がなかったが網室における実験期間中の平均日射透過率は約60%であった地上部および地下部乾物重は 1/2000 a ポットに対し,1/5000 a ポットでは50〜70%および30〜50%の範囲にあり,土壌容積が乾物生産に及ぼす影響は大きかった。屋上における 1/2000 a ポットの株あたり穂数は日本晴が19本,中生新千本が18本,タカナリが16本程度であったのに対し,網室ではいずれも約13本と少なかった。また網室,屋上ともに1/5000 a ポットの3品種の穂数はいずれも6本程度で,1/2000 a ポットの1/2〜1/3であった。1穂穎花数は明らかに屋上<網室であったが,網室では穂数がやや少なく,株あたり総穎花数は,1/2000 a ポットでは屋上において日本晴と中生新千本がおよそ1300,タカナリがおよそ2100,網室においてそれぞれおよそ1200,1800となり,屋上がやや多い傾向があった。これに対し,1/5000 a ポットでは,穂数,一穂穎花数ともに場所による差は小さく,株あたり総穎花数は屋上で3品種ともおよそ400,網室で日本晴と中生新千本がおよそ300,タカナリでおよそ500であった。穂重型品種のタカナリはポットにおいて一穂穎花数が多いという特性が表われなかった屋上緑化スペースにポットイネを導入する際には軽量化を考慮すると土壌容積を小さくすることが望ましいが,本実験の日射環境下ではイネの生育に対し土壌容積の制約が大きいことが示された。
- 2011-12-09
著者
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