中津川水系の灌漑水を利用した棚沢水田における窒素の天然供給量
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概要
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高位安定生産や高品質化だけでなく,地域環境を考慮に入れた水稲生産技術を構築するためには,栽培の基礎となる土壌の特性を知ることは極めて大切である。土壌の窒素無機化特性は地温に特に強く支配され,年次変動も大きいこともあ り,正しく把握する必要がある。また,灌漑用水は地域特有のシステムを有することが多く,そこに含まれる無機態窒素濃度は地域により大きく異なると考えられるので,濃度やその推移についても正確な情報が必要である。本研究の目的は,神奈川県厚木市の棚沢地区の広域水田において,今後予想される環境変化に対応できる低投入で高品質安定生産技術の構築に利用するための基礎資料を得ることである。調査を行った2003年から2005年における土壌窒素の無機化量,灌漑および降雨による供給量の年次変動は小さく,施肥以外のいわゆる窒素の天然供給量は,出穂期までに6 〜7g/m^2成熟期までに9〜10g/m^2と見積もられた。また,棚沢地区の広域水田に利用されている中津川水系の灌漑水中の無機態窒素濃度は比較的低いことが示され,水稲の生育や品質には大きな影響を及ぼさないと考えられた。
- 2011-09-26
著者
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