管楽器演奏が矯正治療におよぼす影響 : 対策と矯正歯科医が注意すべき点
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概要
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マルチブラケット装置を装着しながら管楽器演奏を希望する患者に対し、装置と楽器により生じる痛みを軽減するため、ペーパータイプと圧接タイプの2種類のプロテクタを考案した。管楽器をStrayerの分類に従いClassA〜Dに分けた(ClassA:トランペットなど、ClassB:クラリネットなど、ClassC:オーボエなど、ClassD:フルートなど)。ClassA, B, Dの患者7名と実験例2名について検討を加え、以下の結果を得た。1.プロテクタを使用すべき部位は、Class Aでは上下前歯、 ClassB, Dでは下顎前歯である。2.ClassB, Dでは両タイプとも良好な結果を得た。ClassAではペーパータイプは使用可能。圧接タイプも上顎または下顎片顎の症例では使用可能であったが、上下顎共に使用することは難しい可能性がある。3.ClassAでは上下前歯唇側から、ClassBでは上顎前歯舌側と下顎前歯唇側から圧が加わる。以上より、今回考案した2種類のプロテクタは楽器の種類によりブラケット装着患者にきわめて有効であることが示唆された。また、管楽器演奏は口唇・上下前歯に対する圧など口腔内に変化を与えるため、矯正歯科医は楽器演奏の有無・楽器の種類などについて把握し、患者に適切なアドバイスを与える必要があると思われる。
- 北海道矯正歯科学会の論文
- 2002-12-20
著者
-
岡崎 恵一郎
おかざき矯正歯科クリニック
-
岡崎 恵一郎
北海道大学歯学部歯科矯正学教室
-
山崎 毅
しのぐちこども歯科きょうせい歯科
-
竹下 みのり
おかざき矯正歯科クリニック
-
山崎 毅
おかざき矯正歯科クリニック
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