中枢性神経ペプチドによる肝生理機能制御
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Pavlov,Selyeの時代以来、中枢神経系が消化器機能に及ぼす作用が認識されているが、近年、ストレスとの関わりの深い神経ペプチドが神経伝達物質として脳内で作用し、消化管機能を制御していることが知られるようになってきた。更に最近になって、我々や欧米の研究者によって中枢性神経ペプチドが自律神経系を介して肝臓生理機能を調節していることが明らかになった。なかでもthyrotropin-releasing hormoneは迷走神経系を介して肝血流増加、肝細胞増殖機能の刺激、実験肝障害の保護作用を有し、corticotropin-releasing factorは交感神経系を介し肝血流低下、実験肝障害を悪化させ、neuropeputide Yは迷走神経を介して胆汁分泌刺激作用を発揮する。今後、更なる研究を通してこれら神経ペプチドの肝病態への関わりが明らかになると期待される。
- 国際医療福祉大学の論文
- 1999-12-22
著者
関連論文
- ウルソデオキシコール酸投与患者における尿中イソウルソデオキシコール酸,ウルソコール酸の測定とその臨床的意義
- 肝血流の自律神経性調節
- 肝疾患における血中組織因子(TF)測定の意義
- 中枢性神経ペプチドによる肝生理機能制御