Mapping and spellout problems in Japanese learners' English wh-questions
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概要
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第二言語習得(SLA)においてWH移動に関して、これまで普遍文法(UG)の制約に基づくアプローチから、下接の原理(subjacency)の習得の他、多くの研究がなされてきた。White (1989)やSchwartz & Sprouse (1996)を始めとして、それらの研究の多くは、SLAにおいてもUGは機能すると主張している。本研究では、初級日本人英語学習者(JLE)を対象に長距離wh疑問文の抽出タスクを行ったところ、whコピー疑問文(例: Which do you think which flower does she like?)とともに、What…wh…構造(例: What do you think which flower she likes?)やHow...wh…構造(例: How do you think what color she likes?)が観察された。このようなデータは、先行研究によっても観察されているものだが、本研究では、copy theory of spellout(例: Bobaljik, 1995)とMissing Surface Inflection hypothesis (MSIH) (例: Lardiere, 1998a, 1998b)の両者をもとにGeneralized Spellout Deficitを仮定し、JLEによって産出されたデータの分析を試みる。そしてそれによって、次のような結論に達する: (i) UGは、SLAにおいても機能している。(ii) L2学習者の誤りは、wh連鎖(wh-chain)におけるどのwh-operatorのコピーに対し、どのように音声をマッピングするかという点において問題がある。
- 社団法人大学英語教育学会の論文
著者
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