温州みかん果皮を用いた深部培養での数種の食用きのこ菌糸体の窒素利用率
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概要
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温州みかん生果皮を基質として,エノキタケ,シイタケ,ムキタケおよびヒラタケの4種の菌糸体を用いて深部培養し,これら菌糸体の培養期間中の窒素量の変化および,窒素利用率について検討を行った.基質が固形物のため,直接菌糸体の成育を知ることは出来ないが,ろ過乾燥固形物量の変化は,12日までほぼ類似した傾向で減少した.その後は,菌種によって大きく異なり,ヒラタケ,エノキタケは著しく,ムキタケはわずかに増加したが,引き続き減少する傾向が見られた.また,ろ液のpH,還元糖量の変化の相違からも菌種により,果皮の代謝能に差のあることを示した.各菌種の最大窒素含量は多い物からヒラタケ,エノキタケ,ムキタケ,シイタケの順で,それぞれ1.60, 1.46, 1.37および1.20%であった.培養期間での果皮中の窒素の利用率の最高値は,ヒラタケ,エノキタケ,ムキタケで,それぞれ108.2, 94.2, 74.1となり,シイタケは15日が61.1%と一番低かった.このことは,先に報告した固形培養での子実体収量の順位と一致し,窒素の代謝能が大きく影響していることが認められる.
- 日本きのこ学会の論文
- 2001-07-25
著者
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