特定健診および人間ドックの問診記入相違の検討
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概要
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目的:特定健診と人間ドックの問診票に関する記載相違の原因・背景を検討する。対象および方法:けいゆう病院の人間ドックと健康診断を受診し,二通りの問診票が配布された健康診断受診者の高血圧症(HBP群),脂質異常症(HL群),糖尿病(DM群)に関する治療情報を比較検討した。結果および結論:2009年では,3,533名中のべ282名,実数261名(7.4%)に2010年では,1,409名中のべ134名,実数119名(8.4%)に記入相違が見られた。複数の選択肢がある人間ドック問診表の方が二者択一である特定健診問診票よりも誤記入が圧倒的に多かった。疾患別では,HL群が最も多く,次にHBP群で,DM群は極わずかであった。 HL群で脂質異常症に対する治療のチェックがない受診者でも,他疾患の治療のチェックがあり,投与薬剤名の記載がある受診者も少なくなく,脂質代謝に影響する薬の内服の事実認識はあり,動脈硬化の予防のために内服しているとの認識が多かった。HBP群では,HL群よりも経過観察とチェックした受診者が多く,血圧値が安定したため治療ではなく,経過観察と認識していた。また,HBP群では,脳梗塞や心筋梗塞・狭心症,心房細動などの不整脈の治療として降圧剤を飲んでいると認識し,高血圧の治療のチェックがされていない受診者が数例いた。疾患の治療としての質問よりも,薬剤の内服の有無を聞くことが重要といえる。DM群では特定健診問診票の文章前半の「インスリン注射」の記載を見て,該当しないと判断された受診者が数例いた。問診の文章を作る際には,文章の内容のみでなく,文章中の質問語句の並べ方,単語の配列順番も重要であり,注意が必要である。
- 2011-06-17
著者
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