小児科領域における研究と治療の進歩(10)小児の予防接種
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概要
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わが国の予防接種制度は欧米に比べて遅れているとの指摘があるが、近年徐々に進んできた。最近使用可能となったヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、およびヒトパピローマウイルスワクチンを中心に、現在のワクチンスケジュールについて解説する。, ヒブワクチンはHaemophilus influenzae type b (Hib)に対するワクチンであり、細菌性髄膜炎を主とする重症感染症を予防する目的で使用される。5歳未満を対象とするが、標準的には生後2か月より接種を開始し、4〜8週間隔で3回接種し、その後1年間あけて追加接種を1回行う。, 肺炎球菌ワクチンとしては7価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV7)が導入されており、抗原として4,6B,9V,14,18C,19F,23Fの7つの血清型が含まれている。これらの血清型をもつ肺炎球菌による全身性侵襲性感染症を予防する目的で使用される。9歳以下を対象とするが、標準的な接種方法は、生後2か月以上7か月未満で開始し、27日以上の間隔をあけて3回、さらに追加接種としては、初回3回目の接種から60日以上の間隔をあけ、生後12か月から15か月の間に1回接種する。, ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンは、子宮頸がんを予防する目的で接種される。HPV-16型および18型抗原を含む2価のワクチンが導入されている。10歳以上の女性を対象に、0,1,6か月後の合計3回、筋肉内接種を行う。, ワクチンで予防可能な疾患(vaccine preventable diseases, VPD)で子どもを失うことがないよう、広くワクチンの重要性が理解され、接種されることが望まれる。,
- 2011-10-25
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