部分的に観測可能なマルコフ決定過程におけるControl Limit Policyの最適性への必要十分条件
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
IT技術を活用し全世界の製品を常時監視し,省燃費運転支援や保守費用の低減など,顧客個別への適切な保全が提案され始めている.このような状況下,最適保全方策の理論的な研究も必要である.本研究は状態監視保全における最適保全方策がControl Limit Policy(CLP)によって与えられるための条件を検討した.ここでCLPとはアクションの切替えが一つの閾値のみを境界として与えられる方策をいう.これにより検討すべき保全方策を少数に限定しうるため,顧客に迅速かつ最適な保全計画を提案することが可能となる.対象システムの状態推移確率行列Pの条件を既存研究のTP_2(Totally Positive of order 2)順序よりSI(Stochastically Increasing)順序に緩め,この順序の下でCLPが最適となるための条件の究明について世界中の多くの研究者が長年にわたって挑戦してきたが,今日まで未解決である.本研究はPがSI順序の性質を持つ場合,システムの状態と観測値を関連づける条件付確率行列Γが単位行列であることが,最適保全方策がCLPにより与えられるための必要十分条件であり,この条件をこれ以上緩めることはできないことを証明した.これにより約半世紀にわたって検討されてきたテーマに終止符が打たれた.
- 2011-04-15
著者
-
金 路
Graduate School of Electro-Communications, University of Electro-Communications
-
金 路
Graduate School Of Informatics And Engineering The University Of Electro-communications
-
鈴本 和幸
Graduate School of Informatics and Engineering, The University of Electro-Communications
-
熊谷 和宏
Graduate School of Informatics and Engineering, The University of Electro-Communications
-
鈴本 和幸
Graduate School Of Informatics And Engineering The University Of Electro-communications
-
熊谷 和宏
Graduate School Of Informatics And Engineering The University Of Electro-communications
関連論文
- [4-2]POMDPモデルを用いた最適状態監視保全に関する一考察(セッション4 システムの信頼性・保全性およびソフトウェア面,日本信頼性学会 第19回秋季信頼性シンポジウム 報告)
- 4-2 POMDPモデルを用いた最適状態監視保全に関する一考察(セッション4「システムの信頼性・保全性およびソフトウェア面」)
- 3-6 多変量正規分布に基づく最適状態監視保全(4. 研究発表会の要旨, (社)日本品質管理学会 第77回研究発表会)
- 状態監視保全における"Monotone Procedure"の最適性への必要十分条件 : 任意のアクション数の場合
- 部分的に観測可能なマルコフ決定過程におけるControl Limit Policyの最適性への必要十分条件