シフト直交実数有限長系列セットに対するマッチドフィルタバンクの小規模な構成法(ディジタル信号処理)

概要

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本論文では,長さM=2^ν+1で端点相関値が負の値のシフト直交実数有限長系列のセットに対するマッチドフィルタバンクの小規模な構成法について述べている.シフト直交実数有限長系列はその非周期自己相関関数が端点を除き直交する.長さ2^ν+1の系列はν+1個の短い要素系列の畳み込みで得られ,それらを左右反転した系列を組み合わせることでL=2(M-1)個の系列からなる系列セットを生成できる.この系列セットの中には同期CDMAと準同期CDMAにそれぞれ適用可能な直交系列セットとZCZ系列セットが含まれている.この系列セットに対するマッチドフィルタバンクは,各要素系列に対するマッチドフィルタをトリー状に接続することで,従来法に比べそれを構成する基本素子である乗算器と加算器,遅延器の数をそれぞれ減少でき,その結果回路を小規模に実現できる.従来法では,フィルタを構成する乗算器と加算器,遅延器の数がそれぞれ長さMの2乗のオーダで増加するが,提案法では,乗算器と加算器の数を長さMのオーダに,遅延器の数をMlog_2Mのオーダの増加にそれぞれ抑えられる.提案法によれば,長さ513で各演算器数を従来法の約0.5%にできる.
2011-03-01