リフティングボディ飛行実験(LIFLEX)誘導制御系 : 基準軌道および誘導則の設計
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概要
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宇宙航空研究開発機構(JAXA)で検討している次世代の再使用宇宙往還システムのコンセプトの一つとしてリフティングボディ形状の宇宙往還システムがある.これは翼を持たず胴体によって揚力を発生させ飛行する機体で,再突入における空力加熱に対して優位な形状である等の利点を有した形状であるが,低速での飛行制御に困難がある.その一方で,滑走路への水平着陸を行うためには精度の高い飛行制御が要求される.リフティングボディ飛行実験(LIFLEX)は,このリフティングボディ形状宇宙往還機の自動着陸技術を蓄積するために計画された小規模かつ低コストな機体を用いた飛行実験である. 本稿は,このLIFLEXにおける誘導制御系設計の内,基準軌道設計および誘導則設計に関する報告である.まず,基準軌道設計では,6DOFオープンループシミュレーションにより基準軌道とフィードフォワードコマンドプロファイルを設計する.そして,オンボード上での基準軌道およびフィードフォワードコマンド計算において,定常風や分離時の状態を補償するロジックを組み込んだ.誘導則に関しては,基本的にALFLEXで行われた設計方法に従っており,制御構造はPID制御を基本としている.これらのフィードバックゲインはMDM/MDP法を用いて設計される.そして,ノミナルケースおよび代表ケースとして6ケースのオフノミナルケースに対する6DOFシミュレーション結果を評価する.
著者
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塚本 太郎
宇宙航空研究開発機構
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南 吉紀
宇宙航空研究開発機構 宇宙輸送ミッション本部 宇宙輸送系システム技術研究開発センター
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塚本 太郎
宇宙航空研究開発機構 宇宙輸送ミッション本部 宇宙輸送系システム技術研究開発センター
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