高速飛行実証フェーズ2の実飛行データに基づく誘導制御系評価
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概要
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本稿では,2003 年7 月1 日にスウェーデン・エスレンジ実験場にて実施された,高速飛行実証フェーズII の第1 回実飛行データに基づき,実証機の誘導制御系に対する評価結果を報告する。実飛行データによる評価の結果,誘導制御系は課せられた要求条件を全て満足したことが明らかとなった。ただし設計モデルに基づく飛行シミュレーションと実飛行には,若干の相違が認められた。この原因について検討したところ,実証機設計開発で使用した基準となる数学モデルに対し,実際には誤差が存在した可能性があることが分かった。これらの誤差は,風を除き設計開発で想定した誤差の範囲内であった。風については,実際に想定した誤差を超える風に遭遇したのか,あるいは計測器の観測誤差によるものなのか,明らかにはならなかった。また,一部の故障が即飛行破綻に繋がらないよう,故障モードに対する検証や,より忠実に実環境を表現する数学モデルの構築およびシミュレーション技術の必要性が明らかとなった。本稿で実施した解析によって,宇宙往還機のみならず,今後のシステム開発に対し,その設計評価に対して有益な知見が得られた。
- 宇宙航空研究開発機構の論文
著者
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冨田 博史
宇宙航空研究開発機構
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鈴木 広一
宇宙航空研究開発機構総合技術研究本部将来宇宙輸送系研究センター
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鈴木 広一
宇宙航空研究開発機構
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塚本 太郎
宇宙航空研究開発機構
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冨田 博史
宇宙航空研究開発機構 将来宇宙輸送系研究センター 高速飛行実証チーム
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塚本 太郎
宇宙航空研究開発機構 将来宇宙輸送系研究センター 高速飛行実証チーム
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鈴木 広一
航空宇宙技術研
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