松本城宮渕新橋上金井線改良事業 : 新旧の緩衝地帯となる街路空間のデザイン
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概要
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日本の経済成長は暖衣飽食の時代をつくった。デザインにも過剰な表現が現われたが、今日こうした時代が崩壊し、価値や質の再構築が求められている。そして輸出より内需拡大へと変わり、その一つとして都市の整備が浮上した。そこでは都市デザインが大きな役割を担う。都市デザインは人間の行動を前提に物が空間を規定する一方で、空間から物を発想するというプロセスがある。そこには場所性(地域性)が関与する。ところが、デザインという行為を前時代のままの、極度の装飾性や一瞬の刺激性を与える事に終始し、地域の物語や歴史的継承物を安易に表現するに留まったものが多く見られる。そこで、今計画において、空間から物がどうあるべきかを重視したプロセスを試みた。尚、対象となる宮渕新橋上金井線は、国宝松本城の北堀の沿線にあり、江戸時代には葵馬場と呼ばれた城の一部であった街路である。さらにその北側は一般市街地である。このような特殊な空間であったことが、人間の行動を前提に場所性を取り入れた空間からの物づくりの試行を可能にした。この新しい街路のデザインにあたり、新旧の緩衝となる空間デザインをテーマとした。
- 日本デザイン学会の論文
- 1995-11-30
著者
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