人体着衣熱モデルによる考察 : 衣服下空気層厚さの影響

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概要

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着衣時の生理反応を予測する人体着衣熱モデルを用いて衣服下空気層厚さが生理反応,衣服内気候に与える影響を定常温熱環境22〜31℃,相対湿度45%,無風条件,開口部閉鎖型着衣であるスエットスーツ着用を想定して調べた。その結果,寒冷環境においては,主にふるえ代謝による体温調節を行うので,皮膚や衣服の温度に大きな変化がみられ,ふるえ代謝量は空気層厚さが1cmのとき最小値を示した。暑熱環境では発汗反応による体温調節が主に行なわれるので,皮膚や衣服の湿度に変化がみられ,発汗量は空気層厚さが1〜2cmの間で最大値を示した。また,織物層と空気層の合成熱抵抗では,空気層の熱抵抗が占める割合が大半であり,空気層の顕熱抵抗では空気層厚さが0.5cmをこえるとふく射の影響が大きかった。環境条件や部位形状にもよるが,空気層厚さが1〜3cmの間で衣服内気候に対流が生じ始めるため,保温性の低下がみられたが,定常,無風環境,開口部閉鎖型着衣条件である本条件では微小であった。

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