老若男女の温熱生理学(1) : 新生児期から小児期まで
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概要
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老・若・男・女の体温調節機能と温度適応能について最新知識を概説する。第1部では,出生から思春前期までのこどもについて述べる。新生児は体重の割に体表面積が広く,皮下脂肪層が薄く,体温調節反応が不十分で,中性温度域が高く狭い。一方,褐色脂肪組織が発達し,新生児の熱産生に重要な役割を演じる。出生時発汗機能はあるが,体温闘値が高く,汗分泌能が低い。体温調節中枢機能は発達が不十分らしく,感染しても発熱しない。小児では成人と比べ,発汗反応の過不足は明らかでないが,皮膚血管反応が成人よりむしろ強く,乾性熱放散の体温調節における役割が大きい。幼少児は暑さによるうつ熱や脱水を来しやすいので高温障害に罹りやすい。また暑熱順化は遅く,その程度も低い。
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