絵画における運動感(II)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
絵画における運動感の表象について、画集を基に、古今東西の絵の中にそれがどのように表象されているかを調査した。運動感表象率の他、表象法として、ポーズ、文脈、相互作用、随伴性、必然性、隠喩、抽象、軌跡、複数の視点について点検してみた。実験Iでは国外の作品について原始時代から現代まで、実験IIでは、日本国内の作品について、外国文化との関連や影響、または差違や独自性について検討した。その結果、運動感表象には文化によって差があり、共通するもの同志には、直接間接のつながりが想定できると思われた。そこから日本の洋画家は作風を学ぶ場合に、運動感の表象法をも取り入れていることが伺われた。時代的背景が運動感の高低に反映する面も示唆された。一つの流派の影響が大きく運動感を規定する場合もあるし、逆に個性を重んじる時代には個々の作家の表現は大きく違う。並外れた運動感表現をする作家は作風全体が特異であることの証しであろう。今回の実験は運動感指標の効果を確かめるという予備的な研究であった。そのため、時代、様式、作家による大きなグループとして作品が分析された。しかしこれは運動感の法測を探求するための一方の方向の研究でしかない。他方で個々の作品に具体的にどのような運動懸か表現されているのかの分析も行なっていかなければならないだろう。
- 日本デザイン学会の論文
- 1982-03-31
著者
関連論文
- 神経性食思不振症の身体像 : 健常青年期女子並びに精神分裂病者との比較
- 精神分裂病者における身体像の病態化の研究
- 精神分裂病患者の表情認知-1-
- 青年期女性における身体像の発達的変化
- 青年期女性における身体像の発達的変化
- 青年期女性における身体像の発達的変化
- ディアギレフの「ロシア・バレエ団」誕生前夜のロシア・バレエ界
- 絵画知覚の発達に関する因子分析的研究
- テレビ画像の心理的効果に関する認知論的考察
- 絵画における運動感(II)
- デザイナー特性の研究(2) : 色彩構成の評価
- デザイナーの特性について (5) : 構成図形の評価尺度について(第26回研究発表大会概要集)
- デザイナー特性の研究(1) : 図形構成の評価
- 自由記述に現われた対人認知の発達的研究-2-
- 自由記述に現われた対人認知の発達的研究-1-