音楽鑑賞授業における音楽構造の理解 : パウル・クレーの絵画的ポリフォニー作品との関連を通して
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概要
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音楽鑑賞授業を通して、音楽を形づくっている要素のかかわり合いや楽曲の構造を学習者に捉えさせることが求められている。音楽の要素は、音楽の進行と共に表れては消え、楽曲の構造は、聴き終えた時点でしか捉えることができない。一方、絵画鑑賞は最初に目にした時に全体が見渡せ、音楽鑑賞と逆の行為を行うことになる。絵画の時間性を追究して、ポリフォニーの構造原理を絵画造形に援用した画家にパウル・クレーがいる。彼は、ポリフォニーの「いくつかの独立的なテーマの同時性」を絵画において達成するために様々な「重なり」を試みた。そのような絵画の鑑賞を音楽鑑賞に関わらせることは、学習者にポリフォニーの構造を理解させる一助となり、さらに音楽構造を捉えることの意味を問い直させることにつながると考えた。そこで本考察ではその基礎的研究としてクレーの著作からポリフォニーに関わる部分を明らかにし、絵画的ポリフォニー作品の分類を試みた。
著者
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