スキル創造におけるコラボレーションの役割
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
チェロの演奏のような高度なスキルを要する課題では、プロの世界ですらテクニック自身が多くの奏者によって日進月歩を遂げてきた。歴史的に有名な例としては、カザルスによる左手の親指を使った新たなフィンガリングテクニックの開発が挙げられる。また、技術体系が流派によって異なることも知られている。たとえば、バイオリンのロシア奏法は、他とは異なり、右手を高く上げるのが特徴である。このように、これらの領域において、唯一絶対の正しい奏法が開発されているわけではない。本論文では、チェロの奏法について、多くのプレーヤーに納得できるような奏法を、スキルサイエンスの立場とプロのチェリストの経験を融合させて追及した試みについて報告する。具体的には、生体力学での知見および発想推論の考え方に基づいて、スキルサイエンスの研究者である第1著者とプロのチェリストである第2著者のコラボレーションを通して、如何にしてチェロの新しい奏法が開発されたのかを見ていきたい。この知見は、単に楽器の演奏というフィールドにとどまらず、他のスポーツなどでのスキルの創造、あるいは、ビジネスにおける創造への応用が期待される。
- 2011-03-20
著者
関連論文
- スキル創造におけるコラボレーションの役割
- チェロのスピッカート奏法の習得について
- チェロの省エネ奏法に関する論争とコラボレーション
- コラボレーションによるスキル開発と説得性の追及
- コラボレーションによるスキル開発と説得性の追及