社会調査の実践性をめぐる序論的考察 : 開発援助におけるコンサルタントに注目して
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概要
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実証研究に従事する社会学者は、社会調査のプロフェッショナルとしての自負をもっている。しかし、社会調査から得られた知見がどのように実社会に影響をもつのか、活用されるのかについて、これまで日本の社会学界において本格的に論じられることはほとんどなかった。また、社会学者たちは、アカデミズムの枠外で広く社会で実施されている実務的調査について、強い関心を払ってきたとは言い難く、こうした現状は、社会調査および社会学の政策貢献を目指すにあたって打破すべき課題の一つである。本稿で取り上げる政府開発援助 (ODA) において実施される社会調査は、まさに、こうした実務調査の一つである。その社会調査の主たる担い手に「開発コンサルタント」と呼ばれる専門のコンサルティング企業およびそのスタッフがあるが、これまでこの業界について、学術研究、特に社会科学および社会学ではほとんど知られていない。よって本稿では、社会学の立場から ODA における社会調査を検討するための第一歩として、まずは「開発コンサルタント」の歴史的展開とその全体像を概観し、ODAの枠組みと社会調査をめぐる現状の一端を把握していく。
- 2008-12-23
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