コマツナの連続栽培による各種有機質肥料の窒素肥効特性

概要

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有機栽培農家が入手可能な有機質肥料10点と対照としてCDU態窒素50%含有の化学肥料を供試し,ポットでコマツナを222日間に5回連続して栽培することで,有機質肥料の窒素肥効を総合的に評価し,以下の結果を得た.1)播種の直前施肥による初期生育阻害の程度は,米ぬか,菜種粕,大豆粕などの植物原料で未発酵の有機質肥料で大きかった.2)窒素肥効率は,混合有機質肥料では約80%と最も高く,次いで魚粕約70%,大豆粕約60%,菜種粕約55%,ぼかし肥料約50%,乾燥鶏ふん約25%の順であった.牛ふん堆肥と米ぬかの窒素肥効率は,約17%と低かった.3)施用当作における窒素肥効の遅速を示すNU50は,米ぬか109日,菜種粕95日,大豆粕72日,魚粕57日の順に長く,これらの肥料のNU50はCDU態窒素50%含有の化学肥料より有意に長かった.また,混合有機質肥料とぼかし肥料のNU50は,CDU態窒素50%含有の化学肥料と同等と判定された.4)土壌への見かけの窒素残存率は,牛ふん堆肥では66〜73%,米ぬかでは65%と高く,これらでは,可給態窒素含量の増加も認められた.
2010-12-05